J_Uの日記

芸術とその価値観などについてです。

あなたの本来持つその自由、自ら失くしていませんか?の心理

社会心理学で証明された、人が最も影響を受けるという内容の1つに

 

希少性 というものがあります。

 

これはつまり、限定品や、最終期限などといった言葉が利用され、

 

この期を逃すと、もう二度と手に入らないということを信じ込ませることにあります。

 

 

実際の研究で使われたのは、ビンに入ったチョコチップ・クッキー。

 

10枚入ったクッキーと、2枚入ったクッキーのビンを用意し、

 

どちらがより欲しくなるか、

 

どちらにより価値を見出すか、を試しました。

 

結果は、2枚だけ入ったビンのほうが、

 

より価値があり、貴重なものだと、大半の人が評価しました。

 

さらに、そのクッキーが社会的需要があると思わせると、

 

人はより、そのクッキーを欲しがる

 

という結果も出ています。

 

つまり、単に2枚のクッキーが入ったビンではなく、

 

それはみんなが食べた、人気があってその量まで減っていたのだという情報を与える

 

だけで、それをより求めるようになったというのです。

 

人は、誰かと競争をしている

 

という心理が働くと、よりそれを我が物にしようとする欲求が生まれます。

 

 

さらに人は、それまであった自分の自由、権利をおびやかされると、

 

それを取り戻そうとする力がより強まる

 

という研究結果も出ています。

 

 

例に挙げると、アメリカでの黒人差別での暴動、クーデター。

 

これが起こった時期に着目します。

 

黒人が差別されていたのは、300年にも及ぶ長い歴史を持っています。

 

しかし、人が暴動を起こしたのは、社会が進歩した、1960年代に起こったのです。

 

その時期は、

 

徐々に、黒人に対する差別感がなくなり、人が認め始めた時だったというのです。

 

つまり、今まで最低まで落ちていた価値が上がり始め、

 

その対象となるものの評価が良いものだと世間に徐々に広まります。

 

しかし、これがまた再びどこかでおびやかされると、

 

人はその評価を取り戻そうとする意識が強まるのです。

 

こういった元々ある、人としての自由を取るという心理は、あらゆるところで見られます。

 

 

最も顕著にみられるものが、恐るべき2歳児、10代の反抗期、があります。

 

この時期は、人が 個 としての感覚が最も現れるという時期で、

 

あらゆる権利、義務を伴う 大人 を目指そうとするものです。

 

しかし、これをおびやかすものが、 親の支配 です。

 

特に10代の頃は、この親の支配により奪われた、自分の本来ある権利を取り戻そうと

 

より反抗的になるのです。

 

 

こういった心理は人間本来持っているもので、普段何も考えず生きていると、

 

そこをまんまと利用されるわけです。

 

例えば、スーパーマーケットでよくあるのが、 試飲会。

 

無料で商品を提供され、

さらにそれが限定品であると、

”今を逃すと、もう無くなるかもしれない”と言われ、

 

消費者はたいして欲しくもないものを購入します。

 

こうしたように、あらゆる場面で人の心理を動かしている賢者たちがいます。

 

この 希少性 を刺激されると、人の脳内は思考停止となりやすくなります。

 

怒りを感じたときと同じで、冷静な判断ができなくなるのです。

 

そう、つまりこれによって本来の自由を失っているのは、

 

自分自身であるといえます。