協調性が壊すもの
団体主義の日本だけの話かと思っていましたが、勘違いでした。
個人主義のヨーロッパ諸国、アメリカでもこれは起こっていました。
ある実験が行われました。
心理学者のソロモン・アッシュは
7人の被験者に、一番左の線はA、B、Cのどれと同じ長さですか?
という簡単な質問をしました。
答えは明らかにBです。
全員がBだと答えました。
しかし、実はこの7人の中で、被験者は1人だけでした。
他は研究チームのサクラです。
こういった質問が計18個あり、
他の6人はわざと間違った回答をするよう指示されていました。
グループの1番目の人がCと答え、2番目もCと答える。
3、4番目も間違った答えを言い、さて、被験者はどういう答えを出すか?
という実験です。
結果、被験者は1/3のケースで、多数派に合わせていました。
”ほかの人が選んだから。”という理由だけで、自分の答えを曲げたのです。
ちなみに被験者を1人ずつ試したところ、間違えは皆無でした。
日本であれ、アメリカであれ、ヨーロッパであれ、アフリカであれ、
人の心理には、多数派に合わせるというものがあります。
なにより驚いたのが、社会で就職しているほとんどのアメリカ人すら、
今の職場に不満を抱えながらも、
それを改善する意見を述べることに躊躇している
との答えを出しています。
その心理は自分が少数派になることの恐れ、
いまの現状を壊したくない、など、
様々な理由がありますが、
どれも、協調性を意識したものです。
この実験ですら、本当に正しいこと、明らかに答えのわかるものですら、
多数派という力に屈して、自分の意見を曲げてしまうことが証明されています。
あなたはどうですか?
本当はこうだと思っている事、正しいと思うこと、やりたいと思うことなど、
”みんながそうだから”
という理由で、本当の想いを胸の中に押し殺しているのでは?