J_Uの日記

芸術とその価値観などについてです。

マインドセットについての質疑応答

前回からのマインドセットについての続編です。

気になる方はこちらからどうぞ。

 

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続編、マインドセットを変えるには? - J_Uの日記

 

マインドセットが科学的現実である理由 - J_Uの日記

 

マインドセットからわかる人の特徴とその行く末… - J_Uの日記

 

 

今回はここまでの話の疑問に思われたことに、

研究者のキャロル S ドゥエッグ先生が答えてくれています。

 

それらを紹介します。

 

 

 

Q. 人間の資質は変えようがないと信じている人は、
  自分の賢さや才能を一度証明できたら、もうそれでいいのでは?
  なぜ、ずっと証明し続けなくてはならないのか。
  
  勇敢であることを証明した王子さまは、お姫さまと末永く幸せに暮らしました。
  毎日ドラゴンをやっつけに行かねばならなかったわけではありません。
  
  自分の有能さを証明できた硬直マインドセットの人が、
  生涯安らかに暮らせないのはなぜか?
 
 
A. それは、日々新たな、より強いドラゴンが現れるから。
  昨日証明した能力では、今日の相手には太刀打ちできないかもしれない。
  
  代数は解けても、微積分は解けなかったり、
  
  マイナーリーグではピッチャーが務まっても、メジャーではダメだったり、
 
  校内新聞にはそこそこの記事が書けても、
  ”ニューヨーク・タイムズ”では無理だったり。
 
 
 
 
 
Q. マインドセットは 人となり の一部で、変えようがないのでしょうか?
  それとも、自分の意志で変えることができるのでしょうか?
 
 
A. マインドセットは性格の重要な一部分だが、自分の意志で変えることもできる。
  2つの違いがわかれば、今までとは違った考え方、反応ができるようになる。
  
  重要なのは、硬直マインドの人でも、いつもそうだとは限らないということ。
 
 
 
 
 
Q. 両方のマインドセットが半々という人はいるのですか?
 
 
A. ほとんどの人が両方を併せ持っている。
  2つに分けて話すのはわかりやすくするため。
  
  同じ人でも、場面、分野ごとに異なるものを持つ場合もある。
 
  例えば、芸術的才能には硬直、知能についてはしなやか。
  性格はこちこち、創造力はしなやか など。
 
* 実際、キャロル先生たちの研究では、

  能力は伸ばせると信じている分野の能力は、実際に伸びていくことが、

  証明されています。

 

 

 

Q. 努力の大切さは分かったが、失敗するのは本人のせい、

  努力が足りないせいだから?

 

 

A. そんなことはない。努力が全てを解決するわけではない。

  生まれたときから恵まれた環境や、十分な教育を受けられる人、

  有力者の援助を受けられる人などがいる。

 

  最善を尽くしても、報われない人もいる。

 

  努力すれば、なんでもうまくいくというのは大間違い。

 

 

 

 

Q. 出世街道まっしぐらの、マインドセットこちこちで、自分はできる人間をアピール

  する人を大勢知っている。が、

  仕事には熱心で、チャレンジ精神旺盛です。

 

  硬直マインドが、努力を嫌うという話と矛盾してませんか?

 

 

A. 硬直の大体が、労せずして成功を望む。

  しかし、その通り、ノーベル賞に人生をかける人や、

  世界一の大富豪を目指している人などはそうかもしれない。

 

  この種の人は、懸命に努力することも、能力の一部だとは思っている。

  しかし、他の硬直マインドの特徴は全て持っている。

 

  才能を他人にひけらかす。

  自分は才能があるので、他人よりもエライと思っている。

  ミス、失敗、批判をひどく嫌う。など。

 

  しなやかマインドの人もノーベル賞や富が嫌いなわけではない。

  けれど、それを手に入れて、自分の価値を確認したり、

  優越を誇示したりしようとは思わない。

 

 

 

 

Q. 硬直マインドに不満を感じていない場合は?

  変える必要があるの?

 

A. 満足しているなら、どうぞそのままで。

  無理やり、変えたくもないのに、自分を変える必要はまったくない。

  重要なのは、自分の意志で選び取ることができる ということ。

 

 

 

 

Q. 硬直マインドの人って、単に自信がないだけなんじゃ?

 

 

A. No. 自信の量に関して、どちらも違いはない。

  量は同じだが、強さ、弱さなどの質は違う。

 

  硬直マインドの人の自信はとてももろい。

 

・ コンピューターの短期訓練コースを受講する従業員を対象にある実験を行った。

  半数には ”上達するかどうかは生まれつきの能力による” と告げる。

 

  もう半数には、”練習しだいで、どんどん上達する” と言う。

 

  その後、自信の程度を調べたところ、しなやかマインドは、学習すればするほど、

  技能に自信をつけていった。どんなミスをしても自信は損なわれない。

 

  一方、硬直マインドは、失敗するにつれて、気に病み、

  だんだん落ち込み、自信が崩れ去っていく。

 

 

  注目すべきな点は、

  マインドセットがしなやかならば、必ずしも自信など必要としない

  ということが、研究で明らかになった。

 

  これはしなやかマインドの最も素晴らしい特徴の1つ。

 

  つまり、得意だとは思っていないことにでも、

  果敢に飛び込んでいってやり抜いてしまえる。

  得意ではないからこそ、あえて、挑戦しようとする。

 

  自信がなくても、しり込みせず、楽にトライできるという点。

 

 

以上が質疑応答の一覧です。

 

ここまで書いていて、あるマンガを思い出しました。

 

HUNTERxHUNTERのキルア。

知っている人はピンとくるかもしれませんが、

 

彼は生まれたときから家族から、殺し屋としての英才教育をされています。

 

しかし、

 

物語の途中、彼は自分の頭の中に刺さっていた、

 

彼の兄からの洗脳の針 を取り除きます。

 

 

今まで、

 

・自分よりも強い相手には挑まないこと、

・勝ち目のない敵からはすぐ逃げること、

・勝算がないことに挑戦するのは、愚かな行為だ、

 

などを教え込まれていましたが、その針を抜いたときからその洗脳を脱出します。

 

 

マンガの世界、映画、小説など、非現実的世界のものは、

 

現実世界からヒントを得て作品化、具現化されています。

 

 

作者がこれを知っているか、

 

マインドセットのことを指しているわけではないと思いますが、

 

マインドセットを変えるということは

 

キルアのような場面を想像してもらえばわかりやすいと思います。

 

もちろん、マンガのように一瞬でバッと変わるわけではありませんが。